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スタッフコラム

バイヤー日記 vol.2
2015.09.11

バイヤー日記 vol.2
山口あづさ(雑貨バイヤー)

山口あづさ(雑貨バイヤー)

偶然出合ったマクロビオティックに魅せられて食の大切さや衣食住の心地よさを追求するようになり、その中でかぐれと出合い、現在はかぐれの食品と雑貨全般(アクセサリー、シューズ、バッグ)のバイイングを担当。

かぐれの雰囲気を彩る雑貨たちの中に食品があります。ほかではあまり見ることができない、「かぐれだから特別に」を意識して選んでいます。そんな中で、今回は奈良の無農薬で作っている釜炒り茶と長野の大自然で作っているイギリス生まれのチャトニーをご紹介します。

チャトニー

かぐれで現在取り扱っている釜煎り茶は『熊野古道の釜炒り茶』『九州の釜炒り茶』の2種類です。どちらのお茶も奈良の同じ農家さんが自然農で作っていますが、熊野古道周辺と九州、それぞれの地方に伝わる古来の製法に基づいて作っているため、同じ釜炒り茶でも味わいが異なります。
それを「TE AND CHA」という奈良の素敵なお茶屋さんが紹介してくださり、パッケージもかぐれのために作ってくださいました。写真の通り、パンチの効いたパッケージの中身はバリバリの正統派な自然農のお茶。そのギャップが私は大好きです。

チャトニーは元々、長野の佐久市にあるフェンバーガーハウスという小さな美術館で販売していたもので、日本ではあまり馴染みのないイギリス文化の食べ物です。季節の野菜(今は夏野菜)とアプリコット、アップル、トマトの4種類を扱っています。
美術館の館長で、イギリス人のマクドナルドさんの奥様が季節の野菜や果物で丁寧に作っています。チャトニーは、植民地時代にインドのチャツネがイギリスへ伝来したもので、ほんのりスパイスが香るジャムみたいな食べ物です。
でも私たちが思うところのあま〜いジャムとは少し違っています。パンに塗ってもよし、その上にハムとチーズをのせてもよし、炒め物やソースにしてもよし。馴染みは薄くとも、お料理の幅が広がる優れものです。

話はだいぶ飛びますが、いろんなことに疲弊していた数年前のある日、夕日があまりにも美しくその夕日を見ながらなぜだかわからないけれど涙が滝のように流れ落ちてきたことがありました。
私といえば子どもの頃から割と不自由なく、やりたいことはやらせてもらえ、両親は本当に自由に育ててくれたのだな〜と今でもありがたく思っています。それでもどこかいつも不安で、まだダメだ、もっとがんばらないと、など自分や周りを責める毎日でした。
私が夕日を見ながら涙が止まらなかったその間は、すべてがなんだかありがたくて、その先の見えない不安や恐れが一切なく、普通に呼吸ができることとか、歩けることとか当たり前に生活できることが奇跡と感じると同時に両親への感謝が湧き上がって、最高の至福とは心から感謝ができることなのではないかと確信に近いものを感じたことがあります。いつもこの状態でいられたら毎日がなんて幸せなのだろうと思います。しかしながら毎日をせわしなく過ごすとどうしてもそこから外れたりするわけですが、それでもできるだけその状態に持っていくように努力はしています。

釜炒り茶

さて、話はお茶とチャトニーに戻りますが、私が初めてこの釜炒り茶を飲んだときに感じたこと、おいしいを超えて、先にお話ししたような「今ある幸せの実感」を思い出させてくれる感じ、昔大好きだった音楽が遠くで聞こえて胸の奥が熱くなる感じ。それは成分がどうとかではなく、真摯な思いで作っている農家さん、それを世に伝えようとするにTE AND CHAさんの愛情がダイレクトに伝わったのだと思います。

チャトニーも、元々はイギリス育ちの旦那様のことを奥様が思い、故郷の味を再現すべく試行錯誤の末に出来上がったものです。もう、愛そのものです。
無農薬が良いとか、それ以外が悪いといった、善し悪しではなく、また、食べ物は舌で感じるものではありますが、成分の先にある何かを心で感じられるものを少しでも多くの人に伝えることが最近の私の楽しみでもあります。


かぐれ