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enrica × かぐれ × PINT
番外編「かぐれのショップコート製作の裏側」
2017.03.29

enrica×かぐれ×PINT vol.1 「かぐれのショップコート制作の裏側」インタビュー

島田 絢子(表参道店スタッフ)

島田 絢子(表参道店スタッフ)

愛媛県出身。大学では芸術学を専攻。
2015年よりかぐれ勤務。かぐれに出会い、手仕事と言葉を通じて日本の美しさを感じる毎日です。

enricaとかぐれのコラボアイテム。みなさまもうご覧いただけましたでしょうか。
スタッフの有志が0から作り上げた、かぐれらしさがぎゅっと詰まったこだわりの洋服です。
2016年2月に完成し、店舗スタッフも日々着用しているリネンショップコート。そしてこの3月に届いたばかりのリネンワンピース
すでにご愛用いただいている方もいらっしゃることでしょう。

  • リネンショップコート
  • リネンワンピース

今回はこのコラボ企画の発起人であるお二人、PINTの中地大介さんとかぐれブランドディレクターの坂田智子に、今企画に寄せた思いを尋ねました。
普段見ることのできないものづくりの裏側。アパレル業界では少し異質なかぐれならではの本音の部分まで。かぐれをもっと知っていただく機会となれば幸いです。
ぜひ最後までお付き合いください。

― そもそも、どのようにしてこの企画が始まったのでしょうか。

中地大介さん

中地「PINTでは“現代の民具”を作ることを目指し、作り手と使い手の間を取り持つ『みんなのどうぐ』という参加型製品企画プロジェクトを行っています。“物はあふれているのに、本当に欲しいものがない”という現状に対して、使い手目線のものを生み出し、職人によって作り続けられる環境をつくっています。そんななか、以前から交流のあったenricaのデザイナー・町田栄子さんとお話しする機会があって、服も一緒に作りたいね、それならかぐれがいいよねって、意見が一致したんです。」

(enrica:心地良さと女性らしさをテーマにしたブランド。日本の伝統的な素材や技術、出会う人たちとのつながりを大切にしながら、洋服作りを行っています。)

― かぐれでも2年ほど前に『かぐこラボ みんなのどうぐvol.0 』として、お客さまと一緒に拭き漆の器をつくっていますね。なぜ、かぐれだったのでしょう?

中地「かぐれを選んだ理由は大きく3つあります。1つはかぐれというブランドの芯の濃さ。2つ目はお客さまです。vol.0に関して言えば、全く新しい試みでしたので、興味を持つ人に集まっていただけるだろうかという不安がありました。その点においてかぐれのお客さまが、一番イメージに近いと考えたんです。濃い内容を打ち出しても、敏感に察知し受け取ってくれる“かぐれファン”のお客さまがいてくれるのはとても素晴らしいことですね。3つめは、アーバンリサーチが母体であるということ。小さな規模のお店では到底継続できないだろうと思われることが可能だという点です。この企画自体、今後ものづくりの一つの手段として確立させたかったので、実際に多くのお客さまに完成品を見ていただきたいと思っていました。大きなブランドでありながら、こうした実験的な新しい試みに一緒に取り組めるってすごいことですから。」

お客さまと密接につながり、時間を掛けて本当に良いものを生み出し、伝えていくというディープな側面。それを実現し、なおかつ企業として売上につなげるという現実的な要素も必要です。かぐれにはその両立を可能にする環境があります。

坂田「アパレルブランドはブランドとして主張したいことが明確に決まっていることが多いんです。洋服が人を選ぶというか。でも、かぐれはそれだけじゃなくて。お客さまの声も届きやすいし、スタッフ一人ひとりの声も届きやすい。そして実現への可能性が広がっているんです。」

― 「アーバンリサーチのかぐれ」だからこそできることがあるのでしょうか?

ブランドディレクター 坂田智子

坂田「どんなものや空間も作ることはできる。でも、それを続けること、広めることは本当に難しい。私自身かぐれに入る前に、個人ブランドを立ち上げたことがありますが、資金面も含めて続けていくことの難しさを痛感したので、企業の強みをいっそう感じますね。かぐれはアーバンリサーチという大きな企業の中にある。ここで発信することは、本当に大きな影響力を持つんです。もちろん何かしらの制約はあるかもしれない。でも、自分一人じゃできないことも、アーバンリサーチだから広がっている可能性がある。そのことに気づいたスタッフの行動力は違いますね。」

自分が良いと思ったものを伝えるために、企業としての強みを「利用する」力が大切なのかもしれません。一スタッフとしてここで何ができるのか、日々問い掛けています。

次に、実際に店頭でも着用しているショップコートについてお話を伺いました。

― 丈が長めのデザインですね。試着されるお客さまからも“かっこいい”と言っていただけます。

ショップコート 着用風景

坂田「誰がどんな風に合わせて着ても、様になる形を目指しました。」

中地「襟のないスッキリしたデザインもスタイリッシュで、ありそうでなかった形が魅力ですね。」

普段『みんなのどうぐ』は使い手である一般の方と企画されます。ですが、このショップコートは店舗スタッフが作る、言わば“かぐれのユニホーム”です。企画に携わったスタッフに話を聞くと、「販売だけでなく制作の現場に携わってみたかった」「ナチュラルなイメージを払拭する新しいかぐれのイメージを作りたかった」「お客さまの声を形にしてみたかった」など、思いは様々。

― 今回の洋服作りで、課題に感じたことはありますか?

中地「洋服という、個々の嗜好性が高いアイテムならではの難しさを感じました。日用品とはまた違い、着る場面や気分など、いろんな要素が詰まっています。かぐれブランドのイメージを共有し、どのように形に落とし込んで表現するかが、高いハードルでした。」

インタビュー風景

― 経歴も所属店舗も違うメンバーが集まりましたしね。

中地「みなさんそれぞれにかぐれに対するイメージや理想がありますからね。いろんな人が集まっているからこそ生まれる空気感がかぐれの良さでもあるけれど、一つのものを作ろうとしたときに、どう足場を固めるかが重要ですよね。」

坂田「アイディアをたくさんの人に伝えるには、アナウンスが重要。それがうまくできなくては、どんなに良い意見でも閉じたままで終わってしまうことも。だからこそ、自分の主観をどう伝えるかが大切になってくる。もちろんスタッフ同士でも擦り合わせていたけれど、町田さんがうまくまとめ上げ、足りない部分を肉付けしてくれました。」

中地「プロの視点を聞くことで、自分の扉が開けることってありますよね。」

坂田「アパレルの底上げをする!と町田さんはずっとおっしゃっていて。この企画でも本当に熱心にスタッフに教えてくださっています。店頭に立つスタッフから意識を変えることで、業界全体が変われるはずだと『教育』してくれているんです。」

インタビューメンバー

アパレル店員と聞けば、洋服が好きで、学生時代も服作りを勉強していたというイメージもあるかと思います。しかし、かぐれではそうとも言い切れないのです。もちろん、服が大好きで、たくさん勉強しているなかでかぐれに出合ったスタッフもいます。逆に、服作りの知識が全くなく働き始めたスタッフも少なくありません。かぐれで扱ううつわやコスメや食品、イベントなど。お客さまへの窓口も広い分、スタッフの視点も様々なのです。でも、それぞれがこのかぐれに魅力を感じて集まったことは揺るぎません。
服を売る、それだけではない。良いものをお客さまと共有したい。そのためにできることを模索しています。今回の商品開発企画はそんなかぐれスタッフの試行錯誤の一部をお見せできるのではないでしょうか。

中地さんが追った開発ストーリー、ぜひご覧ください。

「みんなのどうぐ」開発ストーリー


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