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特集

enrica × かぐれ × PINT かぐれのワードローブ
#02-3「期待の1stサンプル到着!」
2017.10.31

enrica×かぐれ×PINT Vol.4 ワードローブ#02–3

ついに1stサンプルが届きました!
町田さんから簡単な説明を受けて、早速試着に。不思議なことに、シャツが苦手と話していたスタッフから試着に入りました。製作メンバーの1stサンプルへの期待の高まりを感じていただけるでしょうか。

生地に触れた瞬間から、その柔らかさに気持ちがゆるみます。腕を通すときのスルリとした心地よさに、思わず笑顔になりました。
この1stサンプルの生地は3月発売開始という季節感も考慮して、透けないマットな質感のコットンが採用されました。シルクのように滑らかなコットンサテンです。vol.3で少し触れた、生地メーカーがオリジナルで企画開発しているというまだ世に出回っていないものです。「コットン100%でここまでの滑らかさは他にないですよ。ビスコースやキュプラ入りなら、柔らかい質感のものはいくらでもあるんだけど、コットンだけでここまでの肌触りはすごいです」と町田さん。
また、町田さんのブランド「enrica」ではコットンを主役にすることはあまりないということで、コラボアイテムならではの特別感もひとしおです。

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身幅はたっぷりとリラックス感あるサイジング。それに対して丈を短めにすることによってオーバーサイズになり過ぎず、今回の大切なキーワードである「女性らしさ」も忘れません。
「ボリュームがあるけど、もたつかないね」「襟のコンパクト感が可愛いね」と実際に着用してみて気になったことを共有します。確かに、身幅や袖幅に対してディテールがやや小さな印象です。
「この丈でこのボリューム感だと、どこかに見るポイントがないと間伸びしちゃうかも」と町田さん。
ディテールが全体と同じテンションであれば問題なさそうに思えますが、それではどこかのっぺりと個性のないものになってしまうそうです。前立てだけでも印象が大きく変わるように、ポケットの位置やカフスの大きさ、前立てに対するボタンの大きさなど、一つひとつの小さなポイントが実は全体のバランスを作っていると感じたのでした。今回は、全体に対するディテールの小ささが、女性らしい可愛らしさや上品さにつながっています。

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背の高いスタッフが着ると凜として見え、背の低いスタッフが着るとふんわりと柔らかな印象に。
面白いくらいに、着る人によって全く印象が変わります。また、着こなし方も様々です。襟を寝かせると開襟シャツのようにメンズライクにもなり、着物の抜き襟のように後ろに下げるとセクシーさも演出してくれます。
逆にボタンを全部とめると可愛らしさが出ると同時にマニッシュな印象にも。角襟を採用していることで、甘すぎず程よくシャープな印象も与えてくれます。

こう見ると、もうこれで良いのではと思ってしまいそうな程の出来栄えですが、まだまだ理想のシャツに向けてディテールを詰めていきます。メンバーが意見を自由に出す度に、町田さんからはいろんな選択肢が飛び出します。

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背中のタック一つを取っても、細かなギャザーを入れるのか、両端にタックを入れるのかなどデザインは様々です。見た目の印象の違いから、動きやすさ、工場での縫製の仕方まで話は弾みます。なんでもないように思えるポケットも、位置が高いと緊張感が出て、低いとリラックス感が出るそうです。
形次第でカジュアルにも、上品にも遊べるパーツであることを教えてもらいました。無限に存在するそれらから一つを選ぶ基準はやはり「かぐれのお客さまにおすすめしたいもの」であること。悩みに悩んで少しずつ修正案を詰めていきました。

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その結果、ボタンのサイズを小さく、第一ボタンの位置を下げる。ポケットは縫い代分小さくし、カフスの幅は細く。袖口は2つボタンで調整できるように。襟は0.8㎝細めて、よりコンパクトにする、などなど。本当に細かな修正ですが、それでも全体の印象は大きく変わります。

「丈が短めなので、ロングスカートと合わせてAラインを作っても可愛い」「ボトムにインしても動きやすく着崩れしない丈がいいよね」「ぎりぎりお尻が隠れるくらいで細身のパンツと合わせても安心感があるね。」そんな絶妙なサイズ感も大事に話し合われました。
話は店頭を想定した「どうしてこのシャツがいいのか」というおすすめ方法にも及びました。
「シャツに着られない」「堅苦しくない」「個性が出るシャツ」「その人にはまるシャツ!」
自分で着て実感しているからこそ自信のあるおすすめキーワードが飛び出します。1回目のミーティングで苦手意見として出された「窮屈さ」や、「自分のイメージとは違うと感じる」といったマイナス面を克服するシャツへ完成に近づきつつあります。

今回初めて感じたものづくりの難しさの一つが価格設定です。使用する生地幅が大きければ大きい分、比例して価格も上がります。今回、身幅をたっぷりと取っている分、今の生地だと当初想定していた価格よりやや高くなる計算になります。求めるクオリティの高さと、日常使いのシャツとして購入しやすい価格のさじ加減。店頭スタッフには馴染みの薄い分野です。次回への課題の一つとなりました。

今回の修正案を基に、町田さんに2ndサンプルを製作していただきます。2ndはもう一つの生地候補で作っていただき、1stと比較することになりました。その生地感も含め、カラー展開などにも言及していく予定です。デザイン最終決定まで残すミーティングはあと3回。どうぞ次回もお楽しみに。


「みんなのどうぐ」開発ストーリー

島田 絢子(表参道店スタッフ)

島田 絢子(表参道店スタッフ)

愛媛県出身。大学では芸術学を専攻。
2015年よりかぐれ勤務。かぐれに出会い、手仕事と言葉を通じて日本の美しさを感じる毎日です。


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