holistic beauty life

第19回 KAGURE holistic beauty image models SPECIAL TALK 4 中川 正子(写真家)

第19回 KAGURE holistic beauty image models SPECIAL TALK 4 中川 正子(写真家)2015.03.25

KAGURE holistic beautyのイメージモデルを務める女性たちのもとを、かぐれショップディレクター・渡辺敦子が訪れ、これからの女性像とライフスタイルについてインタビューする特別企画の第四弾です。
今回は、写真家の中川正子さんにお話を伺いました。写真家として、母としてつむがれることばは、みずみずしい感性と、真摯な覚悟にあふれています。
本文写真:Waki Hamatsu 撮影協力:HADEN BOOKS: by Green Land

中川 正子 プロフィール画像

プロフィール

中川 正子(写真家)

津田塾大学在学中にカリフォルニアに留学。写真と出合う。帰国後、山路和徳氏に師事。自然な表情をとらえたポートレート、光る日々のスライス、美しいランドスケープを得意とする。写真展を定期的に行い、雑誌、広告 、CDジャケット、書籍など多ジャンルで活躍中。2010年4月に男児を出産。2011年3月に岡山へ拠点を移す。現在、東京と岡山を往復する日々。自身の出産と震災後の世界を描いた写真集『新世界』(PLANCTON刊)は全国6カ所で巡回をし好評を得た。最新の写真集として、東日本大震災の後に岡山へ移住した人々の暮らしをモチーフにした物語『IMMIGRANTS』(有限会社トリトン刊)を発表。ほかに『旅の響き』(宮沢和史氏と共著・河出書房新社刊)『ふたりぶんのしあわせ』(カサイミク氏と共著・ ピエブックス刊)『通学路』(PLANCTON刊)などがある。

  • インタビュー風景 01
  • インタビュー風景 02
  • インタビュー風景 03
  • インタビュー風景 04

「写真家」と名乗ることでうまれた変化

渡辺: 正子さんが写真を始めたきっかけはなんだったのですか?

正子: もともと「撮る」ことや「残す」ことはすごく好きでした。大学のときにアメリカに留学して、写真のクラスを取ったのですが、毎週セルフポートレートを撮ってプレゼンする、という授業だったんです。最初の頃はまだ英語がへただったから、クラスメイトが私のことを気にして、私がプレゼンすると一生懸命盛り上げてくれて。「正子は今異国で孤独だから、ここに自分を配置したんでしょ」とか、深読みもいいところなのだけど(笑)、でも、すごく新鮮でおもしろかったんです。

渡辺:写真をきっかけにコミュニケーションがうまれたんですね。

正子:はい。写真って、撮ることも、撮ったあともコミュニケーションになるんだなぁって。帰国する頃には、写真をやると決めていました。

渡辺:帰国後は、アシスタントをしていたのですか?

正子:そうですね、2年ほどアシスタントをさせてもらっていました。その後、アシスタントと並行して撮影のお仕事をさせていただくようになりました。

渡辺:今の肩書きは、「カメラマン」ということで良いのかしら?

正子:今は「写真家」と名乗っています。自分の問題なのでうるさく言うつもりはないのですけれど、3年前に『新世界』という写真集を出して、そのときから変えました。たとえば「書道家」とか「陶芸家」とか、「家」とつくと覚悟を感じますよね。私も、自分を見つめるというか逃げ場をなくしてみようと思って、まずはラベルから変えてみたんです。

渡辺:それによってなにか変化がありましたか?

正子:やっぱり、自分の覚悟ですよね。逃げ場をもっておくことも必要だとは思うのだけれど、私は自分に甘くなっちゃうから。重要だと思っていることに関しては、時には追い込む。……なんだかかぐれっぽくない話だけれど大丈夫ですか?(笑)

渡辺:全然問題ありません(笑)。でも正子さんてアスリートっぽいですよね。

正子:アスリートは、自分のからだと心だけで勝負しているでしょ。私も、一応カメラという道具はあるけれど、それに近いものがあるから、すごく勉強になるんです。

渡辺:なるほど。

正子:写真家と名乗ったことによって、ふしぎと依頼していただく仕事の内容も変わっていきましたし、私も、より個人的な作品に力をそそいでいこうと思いました。だから、なんでも宣言してしまえばいいのですよね。こうすると決めたら、現実の方がそうなんですか、ってついてきてくれる。

渡辺:自分がどうあるかですね。

正子:自分がどうありたいか、それを本当に強く思えばそうなっちゃう。

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渡辺:以前正子さんが、ご家族のことを「すごいチームをつくった感じ」とおっしゃっていたのが心に残っています。

正子:最初は夫と2人のチームで、今はもうすぐ5歳になる息子と3人のチームです。息子が支えてくれるのなんてもっと先だと思っていたのに、もう「ママ大丈夫だよ」なんて言ってくれたりして。

渡辺:SNSなどで息子さんの様子を拝見していますけれど、本当に泣けることを言うんですよね。

正子:子どもが発することばって、反射なんですよね。だから、私が息子に向かって発することばの質には気をつけていて、汚いことばづかいをしないことはもちろん、希望のことばをたくさんかけたいと思っています。彼が言うことばは、私が言っていることの主語を変えただけで、「ママがいるから、ぜったい大丈夫だから安心していいよ」ってずっと言っていると、「ぼくがいるから安心していいよ」と言ってくる。それは、せりふの丸暗記なのかもしれないけれど、でも、ことばがそのままマインドになっていくんじゃないかと思うと、母親にできることはそれくらいかなって。赤ちゃんのときから、ふつうのトーンでずっと話しかけていて、街を歩いているとよく振り返られたりしたけれど、でもそんな景色も当たり前になったらいいなと思います。

渡辺:本当にそうですね。自分がどうあるかで相手も変わるということなんですね。