オリジナルコスメ

渡辺:

小松さんから見て、現代の女性の肌はいかがですか?

小松:

今の女性に肌の悩みを聞くと、ダントツ1位が乾燥。その次が毛穴の開き、もしくは詰まり。その次にくるのがシミとかシワとかくすみ。でもくすみは、乾燥が治ると簡単になくなったりするんです。古い角質が厚くなって重なり合っていると、透明感がなくなっていく。皮膚って、潤っていると透明化してくるんです。でも、乾燥していると濁ってくる。それがくすみにつながるんです。

渡辺:

じゃあ、よく「透き通るような肌」というのは、本当に細胞が透き通っているんですね。

小松:

そう。でも今の人たちは、寝不足は常だし、仕事のストレスや疲れが溜まっているし、何より食事に問題がある人が多いですね。あとは間違った化粧品選びをしていたり。とかく落ちにくい化粧品が増えていて、そうなると強力なクレンジングが必要になるわけで、洗い過ぎているんです。そういった様々な原因から慢性的な乾燥肌になっている。
乾燥は、様々なトラブルの原因になります。シミ、シワ、くすみ……また、乾燥によってオイリーに傾き、にきびが出来たりすることもあるし、乾燥で肌が柔軟性を失い、毛穴が詰まって汚れが溜まっていったりもします。
風邪は万病のもとっていうけれど、肌にとって、乾燥はまさに風邪なんです。今はほとんどの人が風邪気味です。だから、風邪をひかないようにするにはどうしたら良いか、というのをまず考えなくてはいけない。

渡辺:

みんな肌が弱ってるんですね。

小松:

そう。でも、皆さん何故そうなっているのか、原因を分かっていない。高い化粧品をつければ効くだろうと思っている人が多いんです。ところが、私がいつも言っていることだけれど、首から上に一番お金をかけているのに、そこが一番汚いでしょ。

渡辺:

はい(笑)。

9月29日に表参道の「CINAGRO」で行われたコスメPR発表会の模様。

小松:

だから、高い化粧品を使ったからって、必ずしもきれいになるわけではないんですよ。
今の人は、健康な肌よりも、なめらかで白くあか抜けた肌でありたい、という人が多いけれど、なめらかで、つやがあって、というのは、やはり作られた肌なんですね。エステとか化粧品とか、そういったお手入れを何にもしていない人の肌って分かりますか?あか抜けてないでしょう?
たとえば、美白剤なんかが入っている化粧品を使っている人の肌、あれは歯のホワイトニングと一緒で、一時的にそうしているだけなんです。さらに強いピーリング剤なども、凹凸がなくなってつるんとした肌になりますが、乾燥を感じたり、皮膚が薄くなったりして、紫外線やちょっとした刺激に弱い肌になってしまい、5年後、10年後に影響が出ると思います。
だから「あか抜けた肌」というのは、私からすれば今は良いけど将来危険ですよという状態。「健康な肌」とは少し違う感じがしませんか?
健康な肌はダメージに強く、自分で回復する力があります。あか抜けた肌とは違うかもしれないけれど、化粧品を色々使わなくても、潤いや弾力が自力で補えるんです。

渡辺:

そうですね、分かります。

小松:

肌の繊細さのイメージで言うと、「健康な肌」が「綿」だとしたら、「あか抜けた肌」は「絹」の質感。

渡辺:

あぁ〜、なるほど。

小松:

確かに「絹」の肌は美しいけれど、ケミカルなものを使わないと難しい。将来的に代償が大きいことも問題。それに、年齢を重ねていけば、ナチュラルコスメを使い続けた肌の方が結果的にきれいに見えると思いますよ。

渡辺:

「綿」の肌は、元々の自分をきれいにする方に価値を置く考え方ですね。

小松:

そうですね。ただ、ナチュラルコスメにも、美白効果があるものはあって、そういうものをうまく取り入れることで、肌のトーンを明るくすることは可能です。だから、うまく使いこなせば、一般的な化粧品に慣れてしまっている現代女性でも、ナチュラルコスメを取り入れていくことはできると思いますよ。ナチュラルコスメは可もなく不可もない、と言う方も多いですが、それは選び方に問題があったり、自分に合うものと出会っていないだけじゃないかな、と思います。

※第3回は10月19日(水)更新予定です。お楽しみに。

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